置きたい家具があった。
頭の中にある夢のような世界で毎日を過ごしたいと思った。
好きなものに囲まれて、好きな人と日々を過ごす。
過ぎていった何気ない時間が、宝物になっていく気がする。
大切な人たちの大切な場所になればいい。
大人の溜まり場。
人が集う家。
落ち着いた明るさの玄関ホール。
穏やかな光が零れてくるリビングに、足が導かれていく。
コーヒーを待っている友達の姿。
料理を待っているパートナーの姿。
待っている間も会話は途切れなくて、このキッチンに立つと主役になれる。
「もうこんな時間?」と言わせる北窓。
落ち着いた明るさの日の光が、時間を忘れさせてくれる。
「また来たい」と言われるのは、もちろん嬉しい。
着飾るためではなく、気を遣わせないための工夫は
結果として生活感のない空間になった。
古着屋で発掘する気持ちを
休みの度に楽しんでいる。
世間では嫌われ者の西日だけど、我が家では人気者だ。
洗濯物たちは登場を待ちわびている。
「まだ帰りたくない」とゲストに思っていただけるような設計を考えました。
通常、大きな窓は南側に設けて日射熱を取得することで冬場の温熱環境を設計しますが、
今回は近隣状況や住まい手の要望を踏まえ、北面に大きく窓を開くこととしました。
冬場の温かさは断熱性能を高めることで確保しています。
太陽の動きに影響されにくい北窓からは落ち着いた光が入ってきます。
思わず時間の流れを忘れてしまい、また来たいと思ってもらえるようなお家になっていたら嬉しいです。
「人が集う家」