目次 _ 住宅省エネ性能
目次 _ 住宅省エネ性能
地球温暖化の原因のひとつである温暖化効果ガスの排出量は、建築業界が占める割合が大きく、省エネ性能の高い建築物の促進は必要不可欠と言われています。住宅が1年あたりに消費するエネルギー量を数値化したものを「一次エネルギー消費量(BEI)」と呼びます。建物全体の省エネ性能をわかりやすくする目的で2013年に設けられた、「一次エネルギー消費量等級」があります。
2050年のカーボンニュートラル達成には、温室効果ガスの原因のひとつである、建築物の一次エネルギー消費量削減が不可欠です。そのため、2022年に今までよりも高い一次エネルギー消費量削減率を求める「等級6」が新設され、2025年にはすべての建築物で等級4以上が義務化されます。(等級6は、一次エネルギー消費量の省エネ基準よりも、20%以上の削減が条件で、ZEH住宅と同等の水準となります。)
断熱等級6+α(HEAT20グレードG2+α)の最高クラスの住宅性能を全棟標準対応で実現している樹の家こころ舎の家では、すでに最高等級6以上の数値(エネルギー削減率)をクリアしております。
エネルギー消費量と光熱費は連動しているため、エネルギー消費量を減らし、最低限のエネルギーを効率的に使う(エネルギー効率の高い冷暖房器具や給湯設備、LED照明などの導入が有効です)ほど、年間に使用する光熱費の削減が期待できます。
一次エネルギー消費量の削減は、地球温暖化などの環境問題への貢献が可能です。国内で使用する一次エネルギーの3割は建築分野が占めていると言われています。建物で使用する一次エネルギーは、石油・石炭・原子力などの自然エネルギーを指し、それらを使用すると二酸化炭素が発生します。温室効果ガスの7割は二酸化炭素が占めており、二酸化炭素の排出量増加と比例して地球温暖化が進んでいるのが現状です。一次エネルギー消費量等級の高い建物を選び、石油などの消費を最低限に抑えるのは、未来の地球環境を守るという大きなメリットにつながります。
世界中で脱炭素に向けた取り組みが重要視されている昨今、省エネ性能の高さは住宅の資産価値に直結します。
地球温暖化を防ぐために、化石燃料の大幅な削減が求められています。これは地球に生きるすべての人類にとって非常に重要な課題です。そのためには、住宅の高性能化が不可欠です。これまでは、化石燃料の消費削減による経済的メリットが大きいことから、節電や地球温暖化防止などの社会的貢献とともに、例えば、住宅を高断熱化することが「光熱費削減」につながるといった、『エネルギー削減による省エネ効果』の側面が、高断熱化推進の説得材料として強調されてきた感があります。このエネルギー削減による効果は、EB(エナジー・ベネフィット)と言われます。
しかし、エネルギー消費削減以外にも、多くの素晴らしい副産物が存在することが、建築、住環境、医学などの各分野から報告されています。それがNEB(ノンエナジー・ベネフィット)という考え方です。
NEB(ノンエナジー・ベネフィット)とは、住宅を高断熱化することで電気代が減るといったエネルギー削減による効果を指すEB(エナジー・ベネフィット)に対し、これ以外の効果、例えば住宅を高断熱化することで得られる健康面(手足の冷え、肌のかゆみ、アレルギーの改善など)、快適性、遮音性などの省エネルギー以外の効用が得られることなどを指します。
欧米では家全体を暖める連続暖房が一般的であるのに対し、日本では間歇暖房が習慣であり、暖房エネルギーの消費量は欧米の3分の1から4分の1程度に過ぎません。さらに、日本の暖房期間は欧米と比べて短く、高性能住宅にしても暖房エネルギーの削減金額だけでは断熱強化にかかるコストを回収するのに長い時間がかかることがあるなど、EB(エナジー・ベネフィット)の視点だけでは住宅の高性能化が進まない可能性がある中で、省エネルギー化を推進し、これからの住環境改善を考える上で、NEB(ノンエナジー・ベネフィット)の効果に着目し、EBとNEBの両面から断熱・気密性向上の意義を伝え広めていくことが重要だと考えられるようになってきました。
実際に令和3年度の国民医療費は45兆359億円、前年度に比べ2兆694億円、4.8%の増加となっています。中には住環境に起因するものも多く、住宅の高断熱・高気密化によるNEB(ノンエナジー・ベネフィット)の方が、EB(エナジー・ベネフィット)以上の効果があることが国土交通省の「健康維持増進住宅研究会」からも報告されています。つまり、断熱性能の低い住宅では、冷暖房経費を節約しても医療費が増える結果となり、温熱環境的には不健康な住宅となっているというのが実状です。
NEB(ノンエナジー・ベネフィット)の効果として、住宅の断熱性能を上げることで、寒い部屋から暖かい部屋へ移動する際に起こるヒートショック(脳血管疾患や心臓病など)のリスクが低下し、安全性が向上します。また、断熱・気密性能を上げることで、遮音性が格段に向上し、生活騒音を防ぐ防音効果も高くなります。さらに、風邪の罹患率が低くなり、気管支炎やアトピーが発症しにくくなる、または不眠が改善されるといった効果効果も認められています。
私たちの家づくりにおいて、高断熱・高気密による住宅の高性能化を、省エネルギー効果のEB(エナジー・ベネフィット)だけでなく、NEB(ノンエナジー・ベネフィット)の効果の両面から推進することが、快適で健康な住環境を提供し、より長く維持することにつながるものと、皆さまと一緒に考え、広めていきたいと私たちは考えています。
住宅性能を追究した樹の家こころ舎の高性能(高気密・高断熱・高耐久・高耐震)住宅の、省エネ経済性について詳しく見てみます。